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ピンチをチャンスに
「あなたは自分で運が強いと思いますか? 」
某建設会社の就職試験で最も印象に残っている質問だ。
この質問は松下電器産業創業者、松下幸之助氏が採用面接の際行った質問でもある。
この運の強さと言うのは、就職に対してどのように関係していくのであろうか。
運の強さ、と言うとどこか成り行きに任せるといった感じが見受けられる。
例えば臨時収入や思いがけない発見など、いわゆる努力をせずともラッキーが飛び込む様子を想像するだろう。
しかし、松下幸之助氏の定義する「運」は、自分の意思で左右されている。
例えば船から落下してその後助けられたとしよう。一般的には「船から落下した事実」が重点に置かれ、結果「運が悪かったこと」として処理されてしまう。たまたま助かったからいいようなものの、結局その事件は悪い事柄に分類されるだろう。しかし、松下幸之助氏はこの事柄を運が強いと評し、良い事柄として扱った。つまり、助かったことを重視し、結果自分は運が強かったから今日に至ることが出来たのだと述べたのだ。こうして実際に起こった出来事は彼の意思一つで幸運というカテゴリに分類されたのである。
この前向きに意思を動かす強さこそが松下幸之助氏が求める人材であったとこの質問から伺える。
当時私は、この質問の奥に隠れた意図が理解できなかった。私自身、運と言うものに対して受身の姿勢をイメージしていたからである。しかし、彼の定義する運の強さを知った時、正直驚いた。運というものは、意志一つで強くも弱くもなることをこの質問は教えてくれたのだ。
実のところ、自分に運があるのかどうかは定かではない。現在も就職活動中の状況を考えると、不幸に思われる人もいるかもしれない。しかし、それもまた私の運の強さではないかと思う。仕事が見つからないと言うことは、裏を返せば自分をじっくり見つめ、その上で自身の納得の行く道を探索している最中とも言える。誰にも成し得ないような幸福な道を探す方法としては、最高の状況にいるとも言えるかもしれない。
ピンチをチャンスに変える。経済的に不況な時代だからこそ、それを逸脱するだけの意思を持った人材が、今の企業には必要と言うことなのだろう。
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